遺言書をのこした方がいい人!?
私は、基本的にすべての人が遺言書を書いた方がいいとは思っているのですが、とりわけ遺言書を書いた方がいい人、というか、遺言書をのこしておかないと死後にトラブルが発生してしまう可能性が大きい人という方々がいらっしゃいます。
どういう人が、それに該当するのか?
以下をご覧ください。
ご自身はこれに当てはまりますか?
① 子供がいない夫婦
② たくさんの子供がいる夫婦
③ たくさんの相続人がいる夫婦
④ 内縁の妻がいる夫婦
⑤ 特に世話になった家族・知り合いがいる人
⑥ 独身で身寄りがない人
⑦ 配偶者と離婚しようかと思っている人
⑧ 再婚した人
⑨ 相続人の中に行方不明者がいる人
⑩ 資産・事業を守るために、後継者に継承させたい人
⑪ 教育・福祉・芸術など社会に役立つ寄付をしたい人
以下、一つ一つ詳しくみていきましょう。
① 子供がいない夫婦
子供がいない夫婦の場合において、夫婦のどちらかが亡くなれば、もう一方が全財産を相続すると考えがちですが、実はそうとは限らないのです。亡くなった人に親・兄弟・姪甥などが一人でもいると、その人も財産を相続する権利があります。
たとえば、両親はすでに亡くなっていて、兄弟がいる場合、兄弟に4分の1の相続分があるのです(配偶者は4分の3)。もし、配偶者に全財産を相続させたいと思うのであれば、その旨を遺言で示す必要があります。なお、兄弟には遺留分がありませんので、遺言通りに配偶者にすべてを相続させることができます。
② たくさんの子供がいる夫婦
予想はつくと思いますが、誰がどの財産をもらうかで争いが起きやすくなります。相続人に配偶者が口を出してくるとその度合いもさらに増していきます(よくあるケースですが…)。
特に、生前に一部の子供だけに学費や結婚資金を援助していたりすると、この段階になってトラブルが発生するというわけです。
③ たくさんの相続人がいる夫婦
これも予想はつくでしょう。遺言書がないと、相続人全員で遺産分割協議を行わなければならないので、そもそも会うのが難しかったり、合意となるとさらに困難です。
特に、兄弟の数が多い場合、さらにその兄弟が既に亡くなっていてその子供たちがいるような場合は、揉める可能性が非常に高いといえるでしょう。各々が疎遠になっている場合がほとんどでしょうから、是非とも遺言を書いておきたい典型でしょう。
④ 内縁の妻がいる場合
どんなに長年一緒に暮らしていても、入籍をしていなければ相続権は発生しませんので、この状態のまま相続が発生すると、被相続人の家族がすべての財産をもっていくはずです。となると、内縁の妻には何らの財産も残りません。内縁の妻の生活を考えるのであれば、遺言を書いておくべきでしょう。
⑤ 特に世話になった家族・知り合いがいる人
特にお世話になった家族には多少多めに財産を渡したいと思うでしょうが、遺言でその旨を記載しておかないと、遺産分割協議でその話を持ち出したりすると揉める原因になってしまいます。
また、特にお世話になった知り合いというのはそれだけで相続人にはなりませんので、いくばくかの財産を渡したいと思うのであれば、必ず遺言書にその旨を記載しておく必要があります。
⑥ 独身で身寄りがない人
遺言書がないと、原則として財産は国庫に帰属してしまいます。
⑦ 配偶者と離婚しようかと思っている人
「あいつには財産は絶対に渡したくない!」と意気込んでも、何もしなければ配偶者に財産が渡っていきます。この場合、遺言書で配偶者に相続させないように遺言したり、場合によっては相続人から廃除するなどの対策をとることになります。
なお、相続させないように遺言するだけでは遺留分の請求をされる可能性はありますが、排除すれば完全に相続の権利を失わせることができます。
⑧ 再婚した人
再婚相手の連れ子と養子縁組していない場合、本人が亡くなっても連れ子はその財産を相続できません。もし、連れ子を実子と同様に扱いたいのなら、生前のうちに養子縁組をしておくか、遺言書で財産を遺贈しておきましょう。
⑨ 相続人の中に行方不明者がいる人
遺産分割協議は全員で行うことが原則です。しかし、行方不明者がいると面倒なことになりますので、遺言書でその人の分を含めて遺産分割の方法を定めておきましょう。
⑩ 事業を守るために、後継者に継承させたい人
相続財産を法定相続分通りに分けてしまうと、事業の継承に問題が発生する可能性があります。たとえば、株式会社のオーナー社長である人が被相続人になる場合、持っている株式については、その事業を継承する相続人にまとめて渡して起きたいはずです。そうしないと、事業の経営に関して力を持つ人が複数人になってしまい、事業の経営に支障をきたすおそれがあるからです。
⑪ 教育・福祉・芸術など社会に役立つ寄付をしたい人
当然ですが、通常すべての財産は相続人にいきますので、寄付をしたい場合は遺言書に必ずその旨を書いておきましょう。



